Hakone Meissen Antique Museum
マイセンについて

Hakone Meissen Antique Museum
マイセン窯は、1710年にヨーロッパ初の硬質磁器製作所として開設され、以来300年の長い歴史と伝統を誇っています。ヨーロッパ磁器の最高峰の調度品や食器として、当時の宮廷を彩り、王侯や貴族に珍重されてきました。そして現代の芸術家に受け継がれ、多くの独創的な作品が生み出され、その価値を一層高めています。
さて、箱根マイセン庭園美術館は、2000年に箱根仙石原の地に開館し、長きにわたり大変多くの方々にご来館いただいてまいりました。 そして2011年には、豊かな自然に囲まれたこの箱根強羅の地に、日本の大正期から昭和初期に見られた折衷様式の歴史ある洋館に出会い、名称も「箱根マイセンアンティーク美術館」として開館いたしました。
美術館にお越しのお客様や地域の皆さんが、四季折々の美しい景観が楽しめる深緑に囲まれた広い庭園でくつろがれ、箱根での旅のエッセンスとして、ヨーロッパの貴族たちが愛して止まなかったマイセン磁器のすばらしさを加えていただければ幸いです。
箱根マイセンアンティーク美術館館長
山本千秋(eisu group CEO)
マイセンの窯印


マイセンの主役たち・略伝
ヨハン・フリードリッヒ・ベッドガー(1682~1719)
アウグスト〈強王〉のもと、1709年にヨーロッパの白磁器の焼成に成功。王は翌年、アルブレヒツブルク城内に「王立マイセン磁器製作所」を設立。
ヨハン・グレゴリウス・ヘロルト(1696~1775)
ケンドラーとともに、マイセンの黄金時代を築いた絵付師。シノワズリ(中国風)やジャポネズリ(日本風)を特徴とし、さらにヨーロッパの草花を写実的に表現した「ドイツの花」と呼ぶ様式を採り入れた。
ヨハン・ヨハヒム・ケンドラー(1706~1775)
当初は熊や山羊、孔雀、ペリカンなどの動物や鳥の大彫刻に取り組み、アウグスト〈強王〉の死後は、「猿のオーケストラ」をはじめイタリア喜劇役者や踊る男女などの彩色の小彫像を制作する。
マルコリーニ伯爵(1739~1814)
1774年にマイセンの工場長として就任。彼の時代には、ギリシャ神話をテーマとした作品や天使たちの小彫像、コーヒーや紅茶のセットなどが、当時の裕福な市民の間で人気を博した。
パウル・ショイリッヒ (1883~1945)
ケンドラーが築き上げた造形を踏襲しつつも、1925年頃にはアールヌーボーからアールデコの様式となる作品を作り上げる。1937年のパリ万博では6点の作品がグランプリを受賞。
ハインツ・ヴェルナー(1928~2019)
マイセン磁器製作所設立250周年にあたる1960年に結成された「芸術創造のための集団」の中心人物で、今日のマイセンを代表する絵付けデザインは主に彼によって創案された。
Dragon
ドラゴンシリーズ
マイセンには多くのシノワズリ柄があり、中でもドラゴン柄は古くからあり、種類も色も多様である。当時の東洋へのあこがれを反映したものといえよう。この様式は、赤絵に金を施したもので、龍以外でも、鶴亀や鳳凰、松竹梅などの吉祥文様が好まれた。
Hoeroldt
ヘロルト
ケンドラーとともにマイセンで活躍したヘロルトは、とくにシノワズリの作品が有名で、マイセンの特徴的な作品を世に送り出してきた。また、インドの花、ヨーロッパの花、ドイツの花と、多様な作品を残している。
ドイツの花
主な種類として、アイリス、アネモネ、クレマチス、芥子、水仙、チューリップ、バラなどがある。ギリシャ文化やキリスト教にイメージの源泉があり、絵皿や壺、器などに描かれてきた。
スノーボール
18世紀に生れたもので、スノーボールと呼ばれる貼花装飾が施された磁器であり、コレクターが非常に多いマイセン装飾作品の一つである。全体にガマズミの白い花をまとっていて、花弁の一つ一つが型と手の平を使って作られ、焼成前の磁器の表面に丁寧に貼り付けられている。
クリノリンスカートシリーズ
クリノリンとは宮廷内の婦人が身に着ける、裾の広いスカートのことで、その代表的な作者はケンドラーであり、彼は大彫刻から小彫刻まで取り組んでいて、他にイタリアの喜劇役者やパゴタ人形、猿のオーケストラなどユニークなテーマがある。
イタリア喜劇
この作品はアウグスト〈強王〉が非常に好んでいたことから、マイセンの初期から需要なテーマであった。「マイセン幻影」という邦題の映画では、生涯にわたってマイセンの人形を集め続けた主人公が、この人形たちを動かして遊ぶ場面がある。
五感人形
五感とは視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を現し、ギリシャやローマの神話に取材したもの。この感覚を少女や動物で具現化したものが、五感人形になる。
芸術創造のための集団
ハインツ・ヴェルナーもペーター・シュトラングも、共に1960年に結成された「芸術創造のための集団」の重要な一員である。彼らを中心に、大胆な発想と止むことのない美の探求によって、マイセンに新しい作風を生み出している。
マイセンの大鏡
1840年代の作品で、スペイン旧王家の城に飾られていたもので、ザクセン王家からの贈り物とされている。小鳥と天使が遊ぶ楽園の様子を、鏡の枠に仕立てたもの。格調の高い王朝文化をしのばせる作品である。
猿のオーケストラ
ケンドーラーの原型となるもので、当時の貴族の生活をコミカルに風刺したもの。いまもなお、繰り返し作られていて、ケンドラーの思想を引き継ぐ、マイセンの代表作品である。